竹について
[竹の繁殖力]
竹は知れば知るほどおもしろい植物です。ちょっと周りを見渡すだけでも…建築材・家具・調理具・楽器・茶道具・玩具…と、生活の身近な所にいつも竹は出てきます。
そんな身近な竹は実はとんでもないほどの繁殖力と生命力を持っています。
竹は地下茎から繁殖し、タケノコは1日に最高で1mも急激に成長し、約3ヶ月で若竹(成竹)になり、約5年で成長が止まるまでさらに根を広げて子孫を増やしていきます。
根が四方八方に毎年7〜8mも広がるというのですからびっくりです。
このように非常に強い繁殖力がありますので、竹の利用が減った今、管理されなくなった竹はものすごい勢いで繁殖し、周りの樹木を侵食しています。
前に伐採させていただいた竹林は、50年前にご先祖さまが竹を植えたらしく、今や1平方キロもの大竹林になっていました。
50年でやっといい木材になる普通の木と比べるとなんという繁殖力でしょう。
また、竹は広島・長崎の原爆で唯一つ生き残り、ベトナム戦争では枯れ葉剤を撒かれたジャングルに真っ先に芽を出したほどの強靭な生命力があります。
古くから漢方薬としても使われるほど(竹じょ:青竹の内側の部分)で、竹林にいるだけで元気になる気がするのは私だけではないのではないのでしょうか。
[エコロジカルな竹]
一群の竹林は、根でつながった1つの生命体と言えます。
竹はスペースが空いた所に根を伸ばし繁殖することから、「切ることが植えること」とされ、定期的に古竹を間引くことで竹の子の出がよくなり、竹林自体が活性化され、周りの森林への侵食も防ぐことができます。
また30〜50年の木の伐採サイクルに比べ、竹は3〜4年で伐採できることから、森林破壊が危惧される今、持続可能な天然資源として注目を集めています。
[月との関係?]
ちょっと摩訶不思議な話になりますが、月の空洞説というのをご存知ですか?
アポロ宇宙船が持ってきた月の地表の岩石の比重を調べ、月の全体の比重と比べてみると、月の中心部はどうしても空洞になっているとしか考えられない、と言う説です(月の大きさのわりに地表の比重が大きいのだそうです)。
また、昔から竹の空洞に神が宿り邪気を払うものと考えられ、神事ごとやお祭りによく使われることと、月の周期である旧暦に沿った行事が多いのは偶然でなく、月と竹は対応していて、竹は月と地球をつなげる役目をしている、という話もあります。
私はこの話が好きで、その影響もあって満月に近い日に窯止めをしています。月の住人・かぐや姫が竹からこの地に生まれてきたのも、あながち意味があるのでないかと…。
少なくとも竹林はとてもおごそかなところと思っています。