竹炭について
炭とは、木や竹などを蒸し焼きのように無酸素で加熱して熱分解をおこさせ、ほぼ炭素だけが残ったものです。
木の組織構造がそのまま残り無数の小さな穴ができるので、吸着性に優れた性質を持ち、空気・水の浄化、消臭、調湿など様々な作用があります。
高温で焼いた硬質な炭は空気中のマイナスイオンを増やす作用があり、身体の副交感神経に働き、精神をリラックスさせる作用もあります。
[竹炭とは]
『竹炭』は竹を炭にしたもので、『木炭』はそれ以外の樹木を炭にしたものです。『備長炭』はウバメガシというカシの木を「白炭」という焼き方で焼いた炭です。
最近は他の樹木を「白炭」の焼き方で焼いた炭のことを「〜備長炭」と呼んで販売しているところが多いので、本場の備長炭は『紀州備長炭』と呼ばれています。
日本では1万年前(縄文時代)の遺跡から炭が発掘され、燃料などに使っていたことが知られています(その時は薪を燃やした残り火を消した「消し炭」を使っていたそうです)。
木を燃やすと煙が立ち、すぐに燃え尽きてしまいますが、炭にすると煙も炎も出ず、火持ちがよく(発熱量は薪が1gあたり約4500calに対し、炭は約 7000calと約2倍近くも高くなるというスグレモノなのです)、しかも腐らず保存がきき、軽く持ち運びが便利で、とても優れた燃料として使われてきました。
また、炭は加熱をすると遠・近赤外線を放射し、ものを芯から温める作用があります。
浄水・炊飯・お風呂など家庭で使われ始めたのは、ほんの十数年前からです。
[竹炭と木炭の違い]
竹炭は木炭と比べて、より吸着力が高くミネラル成分(特にカリウムとカルシウムと珪酸)が多いのが特徴です。
竹炭の表面積は1gあたり300平方メートルあり(これはタタミ200畳分以上の広さに相当します)、竹炭の細孔の半径は27ナノメーター(カシ炭は112、ヤシ殻炭は129)で、より穴が小さく、木炭の数倍から10倍の吸着力があります。
珪酸は竹の表皮に多く含まれていて、農業では『土の素』と呼ばれるほど、農作物の育成や土の地力を補強するうえで欠かせない成分と言われていて、竹炭はたいへん有効な土壌改良材、有機肥料添加材になります。
また、高温炭化の竹炭は表皮部がガラス状に固まり(クリンカー現象)、電気を通すほどの硬質な炭を作る一因になっています。